東京オリンピック2020で卓球・ミックスダブルスで金メダルを獲得した水谷隼選手。2021年8月7日の会見で、引退を表明しています。
引退の原因
視力の問題が原因だと会見で述べています。
数年来悩まされている目の不調を理由に現役を退く意向を明らかにした。「最終的な判断はできていないが、完全に卓球からは離れると思う。完治するなら40歳、50歳でもやりたいが、治療法はない。悔しいが、自分の冒険はここまで」と語った。
https://nordot.app/796566943473221632?c=39546741839462401
水谷隼の目の不調とは?
不調は2014年頃から始まった様子です。
両目とも1.5あった視力が、突然左目だけ0.3に低下したとのこと。
近視だけでなく乱視の症状も。
当時、電光掲示板が導入され始めたときに、気になり始めたそうです。
レーシック手術
水谷隼選手は、左目のレーシック手術に踏み切りました。
手術は成功して、その後の5年間は黄金期を迎えました。
再びの異変
2018年1月頃、再び異変が訪れます。
ボールが見えにくくなって、検査したところ右目の視力が落ちていました。
手術が必要な程度の視力低下ではなかったのですが「ほんの少しでも良くなれば」という思いから、レーシック手術を受けたそうです。
しかし、症状は改善されることはありませんでした。
どんな症状だったのか?
日常生活に支障はない。でも “特定の条件”になった時に球がまったく見えない。つまり、卓球台の周囲が暗くて、台にだけ白い光が当たっている。そして周囲が電光掲示板で囲われている場合、ほとんど球は見えていません。
https://rallys.online/person/player-voice/mizutani02/
瞳孔反射(光の絞り)
水谷隼選手の目の治療を行っていたクリニックの院長によると
光に対する瞳孔の反応が敏感なため、暗所で瞳孔が瞬時に拡大する傾向がある。
(中略)水谷さんの場合、暗い観客席と明るく照らされた卓球台の間で、
視点を移す度に瞳孔が拡大し、ボールが見えにくくなってしまったと考えられる。
https://geitopi.com/%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%83%BB%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB/%E6%B0%B4%E8%B0%B7%E9%9A%BC%E9%81%B8%E6%89%8B%E3%81%8C%E7%8F%BE%E5%BD%B9%E5%BC%95%E9%80%80%E6%84%8F%E5%90%91%E3%80%81%E7%90%86%E7%94%B1%E3%81%AF%E7%9B%AE%E3%81%AE%E7%95%B0%E5%B8%B8%E5%95%8F%E9%A1%8C/
精神的ストレス
本人のインタビューでは
急に2018年の全日本選手権で見えなくなったんです。原因は精神的なものかもしれません。張本(知和)との決勝戦で、極度の緊張もあってか、1球目にパッと見えなくなった。そこからずっとボールが見えなくなる環境が続いています。
https://geitopi.com/%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%83%BB%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB/%E6%B0%B4%E8%B0%B7%E9%9A%BC%E9%81%B8%E6%89%8B%E3%81%8C%E7%8F%BE%E5%BD%B9%E5%BC%95%E9%80%80%E6%84%8F%E5%90%91%E3%80%81%E7%90%86%E7%94%B1%E3%81%AF%E7%9B%AE%E3%81%AE%E7%95%B0%E5%B8%B8%E5%95%8F%E9%A1%8C/
機能不全
私の見立てとしては、片目だけの変化が起こったこと。
環境の変化(電光掲示板)と時期がなこと。
これより環境の変化に適応できずにおこった機能不全だと考えます。
そこに精神的なものが重なり、自律神経の不調で瞳孔の反射の調整もうまく行かなくなったのでしょう。
そして両眼視と言って、左右の目から入った情報を脳で1つの像として結ぶ働きが、
視力の左右差で難しくなってしまった可能性があります。
病院では機能不全には対応しません
残念ながら水谷隼選手は引退を決意してしまいました。
私としては、適切なアプローチをすれば機能回復の可能性は十分あると思います。
しかし、競技に対するストレスやプレッシャーの問題や、
水谷隼選手自体、卓球を離れて起業するというビジョンもあるようです。
本人の意志を尊重しますが、もし似たような症状で諦めずに解決したいという方がいれば
サポートをしたいと思っています。