外眼筋の機能を回復して近視を治す方法

外眼筋(がいがんきん)とは

外眼筋とは、眼球の向きを変える筋肉です。
外眼筋は6つあり、協調して働くことで繊細に目を動かすことができます。

外眼筋の隠れた働き

外眼筋は目を動かすだけではありません。
6つの外眼筋が協調して働くことで、眼球の形を変形させます。
そして眼軸長を調節する助けをしています。

また、眼球の変形によって、角膜の形を変えることも行っています。

外眼筋の機能不全

同じ距離のものばかり見ている。
同じところを見続ける(目線が固定されている)。
そんな習慣を続けていると
外眼筋の働きが使われなくなります。

そうすると、外眼筋の柔軟性が失われ
眼球の柔軟性も失われ
眼球への血液循環も悪くなります。

同時に毛様体筋も使わないので、水晶体の柔軟性も悪化し、
様々な距離へのピントを合わせることができなくなります。

長期化すると、外眼筋・内眼筋の働きが衰え、
眼軸長を長くすることでなんとかピントを合わせようとします。
結果、眼球の形が変形して近視がどんどん悪化してしまいます。

無理な目のストレッチは逆効果

一言でいうと、筋肉を縮めたり緩めたりすることです。
血流が促進され、酸素が提供され回復するサイクルに入ります。

よくストレッチや筋肉のトレーニングを紹介するサイトや動画がありますが、
強くしたり伸ばしたりする前に、まず回復させる必要があります。
そして、回復した筋肉は普段適度に使っていれば、機能は保たれます。

思いっきり目を上下左右に動かしたり、素早く動かしたりするのは
筋肉を休ませて回復させるには逆効果です。

ゆっくり軽く、きつくない範囲で目を動かすこと

ひとつワークを紹介します。

自分の指先を「ゆっくり同じ速さで」左右に動かしながら、目で指先を追ってみてください。
1往復に1分かけてみてください(片道30秒)。

頭を動かしたくなる角度はありませんでしたか?
あるいは、目の筋肉の緊張が高まるところ。
そこが弱点です。
そのあたりで目を使うときに外眼筋を酷使してしまったり
あるいは、頭を動かすことで外眼筋を使わない生活を普段しているかもしれません。

呼吸を続けながら行ってください。
うまく眼球を動かせていないとき、
呼吸がとまっていることが多いです。

上下、斜め、円を描くようにバリエーションを増やしてもよいでしょう。
EMDRという眼球運動を利用したトラウマに対する心理療法があります。
柔らかく目を動かせることは、とても自律神経系と深く関わっています。

目をつぶって行う

指先をゆっくり動かしながら、目で追いかける。
これを目をつぶって行ってみてください。

より眼球を動かしている感覚を感じられると思います。

目をつぶったまま、頭の中で動く指をイメージしながら行ってもいいです。
想像上の背景(部屋の壁や地平線など)を見渡すイメージもいいでしょう。

モノを見るというのは運動です。
しかし、目を動かして光を捉えるだけでなく
脳を使って光を予測したり処理したりしています。

頑張らないことが大切です

よく「何回やったらいいですか?」と聞かれますが、決まりはあありません。

逆に「頑張らないように」気をつけてもらうことをお願いしています。

狙いは脳の再学習(最適化)です。

反復練習のように行っても効果はありません。
赤ちゃんのように1回1回、まっさらな気持ちで
遊び感覚で楽しみながらやってみてください。

こまめに休憩をとってください。
体の感覚に注意しつづけながら動くことは
とても脳を使います。
休んでいる間に、脳は行った情報を整理しています。
休むことがやることと同じくらい大切な時間です。

脳が学習しているとき、自然に呼吸が深くなります。
自分が休みたくなる感覚を丁寧に拾うことが大事です。

体の使い方というのは無意識の習慣を変える作業です。
クセを変えるというのはとても時間のかかる学習です。
いい意味で適当に気楽に気長に取り組むのがコツです。